新技術「ブロックチェーン」と「NFT」との関係
新しい技術によって利用の場が広がっている
メタバース自体は数十年前から考えられていた概念でした。それが近年になってブームになっている背景には「ブロックチェーン技術」と「NFT」の進化があるでしょう。これらの技術が進歩し広まったことで、仮想空間での所有権の問題やデータの売買が解決でき、ビジネスが成り立つようになりました。この2つの技術について説明します。
ブロックチェーン
ブロックチェーンはもともと仮想通貨の「ビットコイン」を支える基幹技術として開発されました。取引履歴をつなげて鎖のように記録することができるため、ネット上でやり取りするデータの改ざんや破壊の防止になります。メタバースではユーザーや企業が自由にデジタル資産の売買をおこないますが、所有した資産を守るためにこのブロックチェーン技術が利用されています。ブロックチェーン技術が確立したことによって、改ざんや破損の心配をせずにデジタル資産の売買ができるようになったのです。
Non-Fungible Token(NFT)
ブロックチェーン技術をさらに進化させることによって開発されたものがNon-Fungible Token(NFT)です。非代替性トークンとも呼ばれます。NFTの技術を使うと唯一無二で、コピーできないデータを作ることができます。この技術によってデジタル資産の所有者を明確にすることができるようになりました。
いままでは、画像や音楽などのデータに関してその所有者を証明することが不可能でした。データはコピーすることができるため、所有権や原作であることを証明できなかったのです。しかし、NFTを活用するとデータの原作、データの所有者が明確になるため、「自分が作成したデータ」や「自分が購入したデータ」「自分が所有しているデータ」などを証明できるようになったのです。その結果、メタバースだけでなくネット上でのデータ売買も安心しておこなえるようになりました。
この技術はデジタルアートやゲームの世界にも影響を与えています。映画、絵画、デザインなどのデジタルアートの売買もさらに活発になり、ゲームなどでもアイテムや報酬をNFT化することによって交換や売却が可能になりました。「Battle Racer」というゲームでは車のパーツをNFTで管理することで購入や組み立て、マーケットプレイスで売買することもできます。
また、メタバースの土地売買にも活用されており、いまではメタバースとNFTを組み合わせることによって現実世界のようにリアルマネーが大きく動く時代になっています。
人気記事リスト
-
求められるスキルは多岐にわたる「VRエンジニア」
VRエンジニアに求められるスキルは「3DCGデザインスキル」と「動画編集スキル」、そして「ゲームエンジンのスキル」です。ほとんどのVRエンジニアは最初に3DCGデザイナーとして3D空間表現の技術を習得しますが、360度カメラで撮影した動画を編集するスキルも必要です。撮影を自らおこなうケースも少なくありません。
-
仮想空間を作り出す「VRエンジニア」
メタバース開発において仮想空間を作り出す技術を持つ職種が「VRエンジニア」です。VRエンジニアはコンテンツ設計から制作、ゲームエンジンを用いたコンテンツ作成、グラフィックやシミュレーションなど細かい要件のチェック、CGとリアル映像の組み合わせ、デバッグなどかなり幅広い範囲を担当する仕事です。
-
「メタバース」は「3D仮想空間」を指すことが多い
「ネット上の仮想空間」がメタバースであるという解釈は正解であり不正解ともいえます。明確な定義は確立していませんが、仮想空間はメタバースの一部でしかありません。VRなどの技術を用いて作られた仮想空間における「場」「空間」、そこで交わされるコミュニケーションまでをも含めた世界そのものがメタバースなのです。